肘内障

こんなことでお悩みではありませんか？

子供の腕を引っ張ったら、肘が外れてしまった。
子供が一人で遊んでいたが、気がついたら腕をおさえて動かさなくなっていた。

肘内障は、肘に起こる2~4歳くらいの子供特有の障害です。
非常に発生頻度は高く、決して珍しいケガではありません。
親が子供の腕を引っ張った際に発生することが多いことから、肘引っ張り症候群といわれることもあります。

肘内障を起こした子供の特徴として、以下のようなものがあります。

①痛みのため、腕を動かさなくなる。肘を強く曲げたり回したりしない。
②肘を軽く曲げて、手のひらを下に向けた肢位をとる。
③腕を触ろうとすると嫌がる。
④肘の外側に運動痛

しかし学齢前の子供は痛みをうまく伝えて表現することができません。
肘内障かと思ったら、肘の軟部組織の損傷や、鎖骨の骨折を起こしていることもあります。
まずは専門医に相談しましょう。

肘内障の原因　

前腕（肘から下の腕の部位）は橈骨と尺骨という2本の骨があり、尺骨に付いている橈骨輪状靭帯という靭帯が、橈骨を固定してずれないようにしています。
★親御さんは注意！！★
肘内障は、腕が引っ張られて輪状靭帯の下を橈骨頭がくぐり抜けるようにして亜脱臼の状態になります。
肘内障になると、基本的に自然に治ることはないので、放置をしてはいけません。

肘内障の予防法！

一番良いのは、肘内障を引き起こさないことです。
幼小児の橈骨は形成が不完全なので、引っ張ることにより容易に脱臼を引き起こします。
どうしても子供の手を強く引く場合は、手ではなく腕を掴みましょう。
手の関節は尺骨より橈骨のほうが強くつながっているため、手を引っ張られると橈骨が尺骨よりも強く引っ張られます。
そのため強くひっぱられた橈骨が、輪状靭帯からぬけやすくなってしまいます。
手首より腕の方を掴んでいる場合は、引っ張られても2本の骨が一緒に引っ張られるため、外れることはほとんどありません。